項目2の概要
廃水中窒素成分の大部分を占める有機性の窒素化合物(有機態窒素)をアンモニア水として回収するための「NH4+変換」(項目2-1)と「NH4+分離濃縮」(項目2-2)を連結した一連のシステムを開発する。従来、廃水中窒素化合物は、生物処理等により無害化されるが、未処理分は除去過程を経ずそのまま放流されてきた。本提案では、窒素化合物除去処理を経たうえで放流することで、環境への排出を完全にカットすることに加え、高濃縮されたアンモニア水からの有効な資源回収やエネルギー回収を目指す。
NH4+変換技術としては「微好気性NH4+変換プロセス」と「高窒素濃度対応型嫌気MBR(membrane bioreactor)」を開発する。また濃縮技術としては、浸透圧駆動等の新原理に基づく「新規膜分離法」及びNH4+の高効率吸着と容易な脱離を可能にする「吸着分離法」を確立する。これら技術を組み合わせ、「アンモニア水回収プロセスシステム」を実現する。本プロセスでは、窒素の過剰酸化を抑制したNH4+変換技術とNH4+回収率を極限まで高めた濃縮技術により、窒素化合物の有効な削減が可能となる。